家庭医らしい症例?
後期研修医3年目 現在、診療所研修中の遠藤です。久々の投稿です。
普段の外来と異なり、土曜日の外来は患者層が異なり、
平日より年齢層が若くなり働き盛りの年齢の方が多いです。
そして、さらに平日は学業で忙しい学生さんも受診されることが多いです。
そんな中、つい先日、
16歳の男子高校生が「たちくらみ」の主訴で貧血検査希望と外来受診されました。
1ヶ月半前から、立ちくらみをするようになった。
運動部でバリバリ運動できていたのに、1ヶ月半前から、少し運動すると息切れするようになったということでした。
春の高校入学時の健診では異常なかったということで・・・、もちろん身体所見でも貧血検査を疑うような所見は認めませんでした。
貧血検査希望で受診され、部活の顧問や親としては検査希望とのことだったので、貧血らしくはないけど、検査するかどうか確認のうえで検査提出しましたが・・・
(後日、検査結果戻ってきましたがやはり、貧血なし)
何か原因があるはず。症状が出始めた1ヶ月半前頃に何かあったはず。
問診をより環境に、家庭環境、学校生活、友人関係、部活に焦点をあてていくと・・・・
ありました!
男女のトラブル。結構おもい感じのもの・・・
それが原因で食事が普段より受けつけなくなり、体重若干減り、立ちくらみでるようになったと・・・。
改めて問診の重要さというか、
身体疾患のみならず、家族、社会的背景を含んだ病いをマネージメントすることの重要さを認識できた症例でもあり、家庭医らしい症例だったと感じました。
急性疾患ではないか、なにか病気はないか、ということももちろん医師として重要。
しかし、背景に何か隠れていないかとういことを意識して取り組めた症例でした。
ただ今回の症例は、そう簡単には、原因となったトラブルは解決できなそう・・。
時間をかけて、トラブルの原因と向き合っていくしかないので、
頑張れ高校生!
「またいつでも相談しにきてください」と言いましたが、
その後の経過が気になるところです。