みちのく総合診療医学センター 後期研修医ブログ 

後期研修医、修了生の日々の研修内容などを紹介

こどもの時間(小児科研修)

初めまして。みちのく総合診療医学センター専攻医3年目の千葉明日香です。

住み慣れ、働き慣れた仙台の長町を離れて、今月から塩釜市の坂総合病院で小児科の研修が始まりました。電車通勤も大きな病院も初体験。18歳以来の朝の満員電車と押し寄せる人波に戸惑い、広い病院内で迷子になった初日でしたが、1週間経って慣れてきました。

 

高齢の患者さんを診ることが多かった生活から一変し、年齢1桁の患者さん達は可愛くて、健気で、毎日が新鮮です。子どもは病状の変化も早く、患児の様子を見ながらお母さんと一緒になって心配したり、喜んだり。ベテランの先生がアドバイスすると不安そうだったお母さんが安心した表情にかわって診察室を出て行きます。何気ないひと言にも知識と経験に裏付けされた重みと安定感があり、外来診療の見学は毎日多くの学びがあります。

 

子どもの採血や点滴は数年ぶり。小さくて柔らかいぷくぷくの手背にサ―フロー針を刺す時は心臓がドキドキ。逆血を確認して外套を進める手が震えるくらい緊張しました。

 

肺炎、気管支喘息、IgA血管炎、RSウィルス感染症など入院症例も少しずつ経験しながら勉強中です。子どもにとっては超非日常の入院生活。診断・治療最優先の中でも看護師さん達のきめ細かな配慮があり、病棟の雰囲気は温かく、ホッとします。

 

病気の子どもの診療とともに、予防接種、育児相談、健診など地域の健康な子どもの成長を支援する仕事もする小児科は家庭医療と志向が似ているかもしれないと思いました。

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(坂総合病院 小児科の点滴台。こんなに可愛くしても怖いものは怖いのだ。)

 

わからない時には(専攻医:黒木 その③)

こんにちは、後期研修医3年目の黒木(診療所研修中)です。

今回は「診療所で働く(研修する)医師として困ったこと・知らないことがあった時は」というお話です。

 

中小規模病院で勤務をしていた時は、至急解決しなければならない問題は専門の先生に相談したり、検索ツールを使って調べたりしました。それほど急ぎでなければ診療後、より信頼性の高いものでさらに調べていました。

 

診療所も一緒です。緊急であれば、上司であるクリニックの院長にまず相談します。場合によっては大きな病院に相談することもあります。

しかし、大半はそれほど急いで解決しなければならない事態ではないことが多いので、落ち着いてから調べます。また、クリニックに診療支援で来られる専門の先生(専門:糖尿病、循環器、消化器など)に相談することもあります。

 

後期研修3年目(医師としては5年目)とはいえ、まだまだ知らないことが多いです。

 

以上、三回連続の投稿でしたが、最後までお目通しいただきありがとうございました。

黒木

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休日当番(専攻医:黒木 その②)

こんにちは、後期研修医3年目の黒木(診療所研修中)です。

今回は現在研修中のクリニックの休日当番についてのお話です。

このクリニックは年に4回ほど、柴田地区(大河原町柴田町、村田町、川崎町)の休日当番医を担当します。 先日、はじめて自分が休日当番医を担当しました。

ご高齢の方から乳幼児まで、柴田地区の患者さんたちがたくさん来られ、カルテが次第に積み上げられていきます(汗) これまで中小規模病院で研修した内科や小児科での経験を活かし、患者さんの待ち時間を少なくするべく、必死に頭と指先(パソコンを打つ)を動かしました。

休日当番は平日より少ない人数の職員で行っているため、最低限の採血・迅速検査しかできません。目の前の患者さんを診て、薬がいるのかいらないのか、検査が必要かどうか、大きな病院へ紹介が必要かどうかなどを、瞬時に考えなければなりません。

“休日当番 新参者”の自分としては、これまで休日当番を行ってきた先輩医師や他職種の方々に頭が上がらないと痛感した一日でした。

黒木

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クリニックでの研修開始(専攻医:黒木 その①)

お久しぶりです。後期研修も3年目になりました。黒木です。

今年の5月から、柴田町にあるクリニックで研修を開始しました。

患者さんや地域の方々、クリニックのスタッフも、皆さん優しく温かく教えてくださるので、とても有り難い環境です。

最初の1ヶ月は、クリニックのやり方や限界、カルテのシステムに慣れるのに必死でしたが、慣れてくるととても楽しいです。

また近況をお伝えします。

 

黒木

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みちのく総合診療医学センター5周年!!

お久しぶりです。

みちのく総合診療医学センター(新)副センター長になりました、坂総合病院総合診療科の本郷です。

私は宮城県初の家庭医・総合診療プログラムで初の登録専攻医(一期生)でした。

初の修了生として2013年に家庭医療専門医を取得しています。

みちのくが5周年を迎えるにあたって、少し振り返りと紹介をさせていただきます。

 

【センター設立の経緯】

家庭医・総合診療医が扱う分野・問題は非常に幅広く、多様性があります。そのため、専門医育成にはさまざまな規模の医療機関での診療経験、学習が必要となります。

一方で当組織は、地域支援病院になっている急性期総合病院、100床程度の中小病院、そして診療所などをもち、救急からリハビリ・在宅訪問診療まで幅広い経験が出来るリソースを備えています。

さらに2011年の東日本大震災の医療経験から、被災地域の医療復興のためにも本格的にジェネラリスト医師育成の取り組みの強化が必要と判断し、プログラム研修施設群の対外的看板として2012年4月「みちのく総合診療医学センター」を設立しました。

 

【みちのくの理念:Mission】

*診療所・小規模病院の家庭医療、総合病院の総合診療を担う医師を育成する

*ジェネラリスト医師の教育・研究の拠点となり、目指すべき医師像を探求する

*理想の地域医療を追求することで、東北の医療に貢献する

 

【センター設立記念式典】

設立に先立って、2012年3月31日にホテルメトロポリタン仙台でセンター設立記念式典を行いました。

当日は外部から30名以上、全体としても100名を超える方々の参加がありました。

センター設立に深く関わっていただいたCFMDの藤沼康樹先生に加え、全日本民医連会長の藤末先生、名古屋大学の伴教授にも来ていただいた上、当時のプライマリ・ケア連合学会理事長前沢政次先生に記念講演を頂き、その座長を筑波大学の徳田安春教授が行うという、今考えてもかなり豪華な顔ぶれでした。

その後、参加者全員で「東北で求められるジェネラリスト像とは」について議論を交わすワールドカフェも行い、充実した時間を過ごすことができました。

 

【設立から5年】

プライマリ・ケア連合学会が認定する家庭医療専門医を3名育成・輩出し、2016年度修了生は同学会のベストポートフォリオ賞をいただきました。

2017年のみちのくの新規専攻医は4名フルマッチ、在籍専攻医数は9名まで増加し、この間、外部から後期研修目的に入職される方もちらほらおられます。

また、私に至っては学会内の委員会(専門医研修プログラム運営・FD委員会、男女共同参画委員会)にも所属させていただき、活動の幅を広げさせていただいております。

 

【これから】

引き続き、当施設の発展のみならず、東北全体のジェネラリスト医師の育成、繋がりづくりなどに貢献できるよう、地道に活動していきたいと思います。

 

なお、レジデントが増えたことから、今年から卒年とそれ以外の学年のレジデント・デイを分けて行う予定です。

月1回、土曜に行う卒年のレジデント・デイは外部からの見学・参加も可能です。偶数月は藤沼先生が来院され、適宜コメントやminiレクチャーもありますので、ご興味がある方は気軽にいらしてください。

是非、一緒に勉強してみませんか?

いつでもご連絡お待ちしています★

 

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新生活と後期研修

初めまして。みちのく総合診療医学センター専攻医2年目の櫻井広子と申します。

昨年末に、専門研修のため岩手県のプログラムから移ってきた新参者です。

 

現在は、指導医の本郷先生の下について総合診療科を研修中です。

朝のラウンドが終わって病棟が一段落すると、みちのく総合診療医学センターの部屋で(時間が合うときは病院の目の前のラーメン屋さんで)

「いまの研修はどう?」とか「この患者さんってBPSで考えてみると・・・」など、話をしながら楽しく研修をしています。

病態的にも、社会背景的にもいろいろな意味で困難な患者さんが来ると、自分の未熟さに「うわー」と、なりながらも、本郷先生・救急科の先生方・各科の先生方に支援していただいて日々業務をしています。

みなさま いつもありがとうございます。             

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新年度からは救急科や診療所研修も始まります。

診療の場が拡大していくのが楽しみな反面、がんばらねばと気合をいれています。

 

春までもう少し、いまの贅沢な時間を楽しみつつ学んでいきたいと思います。

「10年後の東北地方が楽しみだね~」と本郷先生と話しながら食べたラーメンはおいしかったなあ。

 

新年度も、新専攻医の先生方が4人(!)みちのく総合診療医学センターに入るとのこと。

6月にはみちのく総合診療医学センターの新専攻医に向けてWelcome セミナーも企画しておりますので、お楽しみに!

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レジデントデイ(専攻医ふりかえりの場)での託児

 みちのく総合診療医学センター専攻医二年目の室谷です。数年のブランクを経て、2人の子育てをしながら研修をしています。現在は泉病院 内科で研修中です。

 みちのく総合診療医学センターでは専攻医のふりかえりの場として「レジデントデイ」が毎月1回、拠点の坂総合病院で開かれています。専攻医や指導医が集まる大事な時間で、現在は土曜日午後に開催しています。県内の離れた場所で働く専攻医や指導医も参加しやすくて良い時間帯ですが、一方で保育の確保が難しいのが難点でした。

 そこで昨年度からレジデントデイ参加者用の臨時託児室が設けられるようになり、とても助かっています。主に女性指導医のお子さんと私の子供がお世話になっていますが、男性専攻医のお子さんが利用することもあります。6歳の息子は、お友達と託児担当の方に会えるのを毎回楽しみにしています。毎回手作り工作をしたり、充実した時間を過ごしているようです。

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